こんにちは。税理士法人武内総合会計の下吉です。

本日は、「取得費加算の特例」の制度についてお話しします。
相続により取得した不動産等を様々な事情で
「売却」することはあるかと思います。

ただ、「売却」する場合、
相続により取得した不動産等であっても「譲渡所得」が発生し、
所得税が課される可能性も十分にあります。

相続により相続税も納税して、
不動産等の売却によって所得税も納税するとなると、
かなりの負担が想定されます。

そこで以下のような特例が認められています。

(1) 概要

相続により取得した土地、建物、株式などを、
一定期間内に譲渡した場合に、相続税として支払った金額
のうち一定金額を譲渡所得の計算上、
取得費に加算することができるというものです。

(2) 適用要件は?

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日
    以後3年を経過する日までに譲渡していること。

(3) 取得費に加算する相続税額の計算

取得費に加算する相続税額は、次のように計算した金額となります。

取得費に加算する相続税額
=その人の相続税額
×その人の相続税の課税価格の計算の基礎とされたその譲渡した財産の課税価格
÷(その人の相続税の課税価格+その人の債務控除額)

例えば、ある人の相続税額が6,000万円、
譲渡した財産の課税価格が1億円、
相続した財産の合計課税価格が3億円だとすると、
取得費に加算する相続税額は、
6,000万円×1億円/3億円=2,000万円
となります。

いかがだったでしょうか?
相続により取得した不動産等を昨年売却された方は、
取得費加算の特例が適用できるかもしれません。

ぜひ一度ご相談ください。
以上、相続・資産税課の下吉でした。